八雲の国から末広がり

旧八祐会ブログ

楽をする

2005年にホームページ上で「楽」について述べました。あれから7年ほど経ちまして、基本的な内容は今も変わりませんが、多少の加筆修正をしまして2012年度版の「楽」について述べたいと思います。

 

日本人の意識の中には、楽をすることは悪いことと刷り込まれています。苦難に対して「我慢」「耐え忍ぶ」ことが美徳という風潮がそれを象徴しております。これはこれで正しいとは思います。がしかし、だからといって楽をすることは悪いことだという認識では勝てません。何に勝てないか?それはあらゆるものすべてです。

スポーツの世界においては、もうかなり前から楽することを好意的に捉えて成果に繋げています。かつて「楽しむ」という言葉を使って国民からフルボッコされた千葉すずさんは、いまだったらのびのびと泳げて良い成績を収めているでしょう。「歯を食いしばってがんばる」では勝てない時代です。

勉強でも同じです。歯を食いしばってがんばっても成績は伸びません。以前に何かの実験で、歯を食いしばる時と舌を出して口元をゆるめる時とで計算問題をさせたところ、口元をゆるめた時の方が集中力を増して良い成績だったとのこと。子供にいやいや勉強させると、ストレスでつい歯を食いしばりがちになります。そのような勉強法ではお受験に勝てない時代です。たとえまぐれで合格してもそのままでは入学後に落ちこぼれてしまうでしょう。

スポーツにしても勉強にしても、努力をしないと勝てないのは昔も今も共通です。その努力の質を高める方法として楽(エンジョイやリラックス)が取り入れられているのです。

では、ニートの人らが言ってる「人生を楽に過ごしたい」というのはどうなのでしょうか?こちらはさすがに「けしからん!」といったところでしょうか?

私は昨年、妻を亡くして精神が通常ではない状態でした。病院に行ったらおそらく何かしらの病名がついたでしょう。そこでの処方箋では決して治らないのは明らかでしたから、病院へは行かずに祐気採りと時間薬で回復を図りました。尋常ではない精神の落ち込みを経験し、これほどまでに「生きることはつらいこと」だと思い知りました。

いま、日本では自殺者が毎年3万人以上、うつ病が100万人以上といわれております。こういった時代背景がある中で、ニートといわれる人たちがおります。もしかしたら彼らはこうした時代をサバイブする新しい生き方なのかもと、失意の最中にいた私はふと思いました。「仕事がない(失業)」あるいは「仕事が多すぎる(過労)」で自殺してしまうよりは、ニートの方がよっぽど賢くてたくましい気もします。彼らの精神構造(タフさ)は私レベルではまだまだ遠く及びませんので、これが正解なのかは分かりません。おそらく20年後か30年後になればその答えは出るでしょう。ただこれだけは確定してます。自殺しても決して楽にはなれません。とてつもない苦しみが待ち受けています(永遠に飛び降りることを繰り返す等々)。どんなに今が辛くとも自殺を選ぶよりは、中島みゆきさんの「ファイト!」を聞いて泣きながら生き続ける(戦い続ける)方がはるかに楽です。そして歯を食いしばって生きるよりも、食いしばらない方法を選ぶともっと楽になれます(成果が上がる)。

世界不況や放射能汚染などの影響により、今後ますます生きるのが困難になるのは確実です。そういった状況のなかで勝つ(克つ)ためには「楽」が不可欠です。苦から逃げるのではなく、苦を乗り越える楽をなさって下さい。