八雲の国から末広がり

旧八祐会ブログ

自家用車の有無について

「それでも車を捨てませんか 所有コスト40年で4200万円」というコラムを読んだ。

 http://sumai.nikkei.co.jp/edit/rba/etc/detail/MMSUa8000008052012/

記事を要約すると、

《分譲住宅市場を取材フィールドに置く記者としては「首都圏で住むには車(自家用車)は必要ない。車を捨てれば、あと一部屋広いマンションが買える」

(アンケート)回答者の車を保有する年間コストをはじくと平均105万円となった。40年間乗ると仮定すると約4200万円だ。郊外マンションが1戸買える値段だ。年間50回乗るとすると1回当たり2万1000円だ。》

という計算らしい。で、自分の場合に置き換えて考えてみた。

私が住んでいるところは、「自家用車はいらない」で十分な場所と思う。都心に向かうのに電車もバスもタクシーも充実していて、その乗り場までもすごく近い。それに対して駐車場代は高い。これは駅から近いから当然で、家から離れれば安くなるが、そうするとますます車を所持するメリットがなくなってしまう。そう、車を持つメリットとは「楽」か否かです。その楽に対するコストとして、他の選択肢との比較をすべきというのが私の考えです。で、これまでの経験に基づき比べていきたいとおもいます。尚、これら比較は「車の運転がヘタではない・苦にならない」ことを前提とします。

 

先ず、買い物を想定してみますと、いまはアマゾンなどの通販が充実しておりますので、車はなくても便利です。がしかし、宅配ピザのように注文して1時間では商品は届きません。つねに数日先に必要なものを考えて生活しているのは不自由ですので、そんな時に車は便利です。急に必要なものを毎回近所のコンビニで済ませることは不自由です。一方、買い物における車の便利さは「どこへでも気軽に行ける」「荷物を運ぶのが楽」なのが挙げられます。一家4人分の食料を買う場合は1日分でもそうとうな重さです。スーパーが家の隣にないかぎりは車で行った方が楽です。また深夜営業のお店なんかは車でないと行けない場所が多いです。そして「買い物を楽しむ」にも車は便利です。通販大好きの人やデパートの外商さんから買う人には車は不必要かもしれませんが、アウトレットモールやコストコが好きな人には車は必需品です(私はこっち)。

次に、旅行で想定します。私は飛行機を使うことが多く、そのため空港に向かう手段として、車を使うか電車やバスを使うかいつも迷います。で、車を使うほうが断然に楽です。なので、高速代+空港駐車場代が他の乗り物代に比べて数万円も高いとかでない限りは車を使います。特に成田は駐車場代が安く、しかも空港で直接受け渡し(マイクロバスでの移動なし)してくれる業者もおりますのでとても便利です。一方、車と比較する乗り物としては、バスがコストパフォーマンスに優れております。が、車に比べて時間の制約がかなり強いです。それに帰りの場合は、時間を気にして機内にいるときからイライラしっぱなしの場合も多いです。これはかなりのストレスで体調はすこぶる悪くなります(特に羽田空港の国際線利用がこれに該当します)。これらを解消するのにタクシーやハイヤーがありますが、当然に料金は高く、また初めて会う人に対する気遣いも少なからずストレスですので、やはり車の方が気楽です。尚、ファーストクラスでの旅行ならば、私も機内で優雅にシャンパンなど堪能しながらハイヤーで帰りますが、残念ながらまだ経験したことありません。。。

そして、絶対的に車が必要(楽)なケースは、電車やバスが通っていない「不便な場所」に行く時です。行きはタクシーで簡単に行けても、帰りはその限りではありません。待たせるにしても迎えに来てもらうにしても、時間と運転手に気を使うのは疲れます。レンタカーという手もありますが、日常使いとしては非現実的(不便・めんどくさい)ですよね。

 

昨年から生活状況が一変し、車に乗る回数がめっきり減りました。でも、それでも車はとても便利です。この便利さはとても魅力的です。また、車に心が救われることも多く、皆が寝ている夜中の時間においては殊更です。また昼間でも、急に電車内で泣きだされたり大声だされても周りは迷惑でしょ。それに人ごみがきついです。これは健常な通勤者でも同様で、満員電車よりは車の渋滞の方が圧倒的に楽だと思います。

車を維持できないほど生活が困窮しないかぎりは、私には車は必要です。カーシェアリングなど便利なサービスが増えても、その程度ならまだ私には不十分です。また、新たなサービスが普及する一方で、新しい高速道路が完成しますので、まだまだしばらくは自家用車優位な気がします。

自家用車所有に限らず、お金に困窮してない限りは皆さん「楽」にコストをかけるわけで、結局のところは「人それぞれ」となってしまいます。楽とは、他人と比べるものでなく自分と比べるものですもんね。筆者が述べてるコスパの主張にはちと強引さと偏りを感じます。

 

環境に対する配慮としての自家用車の有無は、いまのところは「どっちもどっち」に思えます。まして地震(津波)や放射能汚染の被害に遭っている日本です。環境に配慮とか悠長なことを言えるほど平常ではありません。まだまだ何が起きるかわからない分の「安心」としては、自家用車の有無が生死を分けるかもしれませんので、車はできるかぎり所持しておいた方がいいでしょう。

少なくとも2014年の春くらいまでは、まだまだ世の中は不安定です。そこから数年経って私たちがこの日本で平和に暮らせているならば、またその時に考えればいいと思います。

 

繰り返しますが、現在お金に困窮してない限りは、「楽」や「安心」に対するコストとして、自家用車の所持はそんなに高くなく、むしろ安いと思います。

そして、この筆者が唱えてることを社会の問題として議論するには今はまだ早急で、2015年以降でも十分に思います。