八雲の国から末広がり

旧八祐会ブログ

憧れと恐れ(アメリカ/インターネット)

私がまだ子供のころは、アメリカ文化への憧れが日本全土に強く残っていました。でも実際に渡米する人は少数でした。だから憧れる反面、恐れもあったと記憶しています。

私は12歳の時に、アメリカで2週間のホームステイを体験しました。

着いた当日は夜だったので、皆でモーテルに宿泊し、翌日にそれぞれホストファミリーのところへ向かう流れ。

興奮冷めやらぬ初日の夜、自動販売機で缶ジュースを買いました。アメリカの缶は、当時の日本の物とは大きさもふたの仕様もぜんぜん違う。いつもは250mlの缶でふたは外れる仕様。だけどアメリカのは355mlでふたは外れない(今の日本の物とほぼ同じ)。

そのどっしりとした太い缶ジュースを握りしめ、外れないふたが不衛生に思えても「これぞアメリカ!」と悦にひたって異国の地に居ることを実感していました。 

当時の日本のテレビはアメリカのドラマをよくやっていました。「奥さまは魔女」に始まり、「スタスキー&ハッチ」「アメリカンヒーロー」「バイオニックジェミー」「ワンダーウーマン」などなど。子供だったので見てたのは特撮ヒーローものが多かったかな。

でもそれはあくまでドラマの中のアメリカで、実際のニュースを通じてみるアメリカは、とんでもなく危険なところというイメージでした。毎日銃声が飛び交い、犯罪の巣窟で無法地帯なんだと。

実際に来て見たアメリカは、ホームドラマとMTVカルチャー(80's)を併せもったまさに皆が憧れるアメリカそのものでした。《サンタクララという高級住宅地だったから平和だったんだろうと思う。ニューヨークだったら印象は違っていたでしょう。》 

テレビの中でないリアルなアメリカにふれて、初めて知ったこともたくさんあります。

「毎日ステーキを食べてるわけではない」「ベーコンがカリカリ過ぎる」「茹でたほうれん草がくたくたを通り越してドロドロ」「(キッコーマン)醤油が普通に食卓にある」「“モーテル”って日本みたくいかがわしいところではなかった」「筆記体を使わなくて『w』をこんなふうに書いていた→『ω』」などなど。日本では知り得なかったことがたくさんありました。

 

ブログを始めてから、2週間ほど経ちました。

ブログを始める以前と始めてからの印象が、アメリカに行く前と後のあの時の感覚にとても似ています。

以前は、ネットはよくわからないけどそれを使って夢を叶えている人が大勢いるみたいな憧れと、犯罪の巣窟みたいな恐れとが混沌としてました。

いまはまだ、アメリカの缶ジュースを飲んでいる日と同じかな。まだまだブログ(ネット)のことはさっぱりだが、なんだかワクワクしているって感じ。

そしてこれからネットを通じて新しい世界をたくさん垣間見るのだろうと思う。グランマがつくったほうれん草みたいに、なんじゃこりゃ!?な経験もすると思う。でもまあ、それも含めて楽しみ。しっかり知識を身につけて気をつけていれば、銃撃戦に巻き込まれることもないだろう。

 

なんでもそうだが、やっぱ実際に経験してみないと、傍から見ているだけじゃその世界は分からないな。