八雲の国から末広がり

旧八祐会ブログ

音をたてないで飲んで

だんだんと暑くなってきましたね。冷たい飲み物が欠かせません。

最近ちょっと気になることが。ファミレスやファストフードのお店で冷たいドリンクを飲んでいる人で、グラスの底にたまっているのを

「ズ ズ ズーーーーーッ」っとストローですすっている人をよくみかけます。

そのたびに、ったく最近の若いもんはしつけがなってないな!と眉をしかめてしまいます。で、またほかのところでも、ズズズーッ。

ったく、親の顔が見てみたい!と振り返ると、あれ??

親くらいの年齢、いやそれよりも上の年齢の人だった。

で、周囲の様子をみてみると、老若男女、みなこぞって、ズズズーッっとやってます。

あれれ?日本って昔からこんなんだったっけ?

 

私の認識だと、公共の場で飲みものを音を立ててすすってるのは、せいぜい5歳くらいの子までと思っていました。3歳から5歳くらいまでのあいだで、親から「音を立ててすすってはいけません」と叱られて育つのが当たり前かと。

若い子だけがそれをするならまだ、そういう時代なのかなと思います。けれども、それをしているのは、老若男女かかわらず。これにはちょっとびっくり。

 

日本では、麺類(パスタ以外)はたしかに音を立てて食べます。それは文化ですので当然です。また茶懐石でも作法として最後にわざと音を立てて吸い切ります。それらはアリです。でも、ファミレスとかで飲みものをすするのはナシでしょう。

 

不況の影響で、いわゆる高級なレストランで食事をする機会が減ったせいでしょうか?それともバブルの後遺症でしょうか?バブルの頃に散財して浮かれていた人らは、いたるところで下品な振る舞いをしてひんしゅくを買っていたと聞きます。

手本となるべき大人がこれじゃあ、若い子らがそれを真似るのも仕方ありません。

 

音を立てることは、海外では絶対にダメです。鼻をすするのもダメです(これはほんと要注意!無意識でしてしまってる場合が多い)。※2

欧米の人らは、すする行為じたい習慣がないみたいで、※1やろうとしてもできないそうです。ゆえに、そういう音を聞き慣れておりません。あまりにひどいと国際問題になりかねませんので、海外(欧米)では日本出身のラーメン屋でも「郷に入れば郷に従え」で召しあがって下さい。

 

おいしいお蕎麦屋さんに通って、まわりの音を聴き比べると、良い音と悪い(下手な)音が分かります。上手にお蕎麦を食べる人は、不快な音を出しません。粋です。カッコイイです。モテます、たぶん。

ビジネスマンは特に要注意。接待の席で蕎麦ひとつまともに食べられない人なんかに大きな仕事はまかせられません。先方は酔ったふりをして細かくいろんなところをチェックしておりますのでお気をつけ下さい。ちなみに蕎麦屋でタバコを吸うなんて正気の沙汰とは思えない、と、蕎麦好きの先方は思っています。

日本人たるもの、せめてお蕎麦の食べ方くらいは上手になることをおすすめいたします。

 

いつからみながグラスの底をすするようになったのか分かりませんが、それが当たり前とは思わずに、ひとりでも多くの方が気をつけていただけたらと思います。

 

※1 コーヒーなどのテイスティングする職業の人らは、すすることができます。スプーン1杯の少量ずつですが、上手に「ズッ」っとしてますね。これはすすることで「香り」を吸いこんでいるからです。日本のお蕎麦もこれと同じです。蕎麦は香りを楽しむものです。ゆえにタバコは論外です。 

※2 先週の週刊新潮の「週刊 鳥頭ニュース」で、元外務省の佐藤優氏が、「かつて外務省の先輩が、相手(西洋人)に嫌われるためにわざとスープをズルズルと音を立てて飲むことをしていた」と記していました。

はぁ、あいた口がふさがりません。