孤独の感覚
「ああ、孤独って、こういうことなんだ」
この世でひとりぼっちなんだと自覚した時、
恐怖とはまた違う、大きな真っ暗な闇が、目の前で口を開けていた。
私の未来は、ブラックホールの中だった。
その真っ暗なトンネルの先には、待っててくれてる人がいるんだが、
闇が深すぎて、出口の灯りはまったく見えない。
やっぱ、こわい。闇に入るのが、こわい。
そう思ってたけども、実はもうすでに闇の中に入っちゃってたことに気づいたのは、いつだったかな。
あいかわらず、出口の灯りは見えない。
けれども、今いるここは、思ったよりも暗くなかった。
孤独が和らいだわけではない。
ただ、孤独に慣れてきただけ。
傍からは、平気なようにみえる、だろう。
自分でも、平気にしている、つもり。
ほんとに平気なのかは、まだよく分からないが、そう思うよりほかない。
でもまあ、とにかく、孤独はそうたいしたことじゃない。
なんとか独りでやっていける。
朝日を背にうけて、今日も一日、生きる。