いいひと戦略の濃度
昨日の記事のついでというか、補足というか。引き続き「いいひと戦略」について。
いいひとと思われた方が得だということは皆さんも経験上あるでしょう。ありますよね?え、ない?わかんない?私はもう高校生くらいからその意識はありましたよ。
私、見た目がとっても不機嫌そうなんです。人相が悪いんです。なので、話しかけられた時には努めて愛想よく振る舞いました。そうすると、そのギャップからか「いいひと」と思われるようになりました。けどもまあ、それで得したとかモテモテになったとかは一切なかった青春時代でしたが。いや、きっとものすごくモテてたけども、高値の花のごとくに柱の陰から見つめているだけの女子が星の数ほどいたに違いない。私が気づいてあげれなかっただけ。そうに決まってる。決まってる…という妄想族でした。
その時のクセみたいなものが染みついているのか、基本的にはいつでもどこでも愛想よく振る舞ってしまいます。いいひとぶっております。シャイだから露骨な世辞は言えませんが、会計の後ぼそっと「ごちそうさまでした」とか言うとファミレス定員さんのありがとうございましたのトーンが1オクターブ上がるのが分かります。いや分かりません。オクターブの単位が分かりません。けどもまあ、ちょびっとだけ、1ミクロンくらいテンションが上がってくれているだろうと妄想してます。はい、また妄想です。
岡田斗司夫氏は著書「いいひと戦略」で、露骨にいいひとぶることを推奨しています。電車で席を譲ったらツイッターでつぶやけ、みたいな。でもうまくつぶやけよ、露骨すぎると逆効果だぞ、とも。いやいやいや、あかんでしょ、全世界につぶやいちゃ。偽善なう。
いいひと戦略は、ものすごく地味にやっていかなければいけません。幕之内一歩がウォーリー戦でみせた軽く触るだけのボディーブローのように、地道にちょんちょんと偽善するのがセオリーです。だから、上地〇輔みたいなのはいけません。彼のは、まっくろくろすけが露骨に現れちゃってます。
露骨はいけません。偽善臭がぷんぷんにおいます。笑顔をみせるのも、相手の目を見てにっこり白い歯をみせるだなんて論外です。ヒロシですみたいに、左ななめ下にうつむきながら、右のほっぺただけにえくぼをみせるくらいでちょうどいいんです。
気持ち悪いって言わないでください!
失礼、取り乱しました。
いいひとぶって得をしようと考えてはいけません。損を多少防げる程度でちょうどいいんです。たまにイラっとしたっていいんです。そんな時までイケメンすぎなくていいんです。そうしないとどこかで爆発しちゃって、取り返しのつかないことになります。淫行でつかまる小学校教師や慇懃無礼が隠せないCAとか、そうなってしまったらおしまいです。
感謝を伝えようとして大失敗するひともいますよね。たとえばこんな例。
料理評論家じゃないんだから、ひとこと「美味しかったです」「また来ます」くらいでちょうどいいんです。気取った世辞よりも、足しげく通うことを目指すべきです。
口調がべき論になってきもい。べき論しだすと偽善臭警報が鳴りだすので注意です。
とにかく、いいひとなんて思われなくてもいいんだからねっ!!くらいのきもさがちょうどいい偽善具合だと思います。
なにごとも、過ぎたるは猶及ばざるが如し、です。