八雲の国から末広がり

旧八祐会ブログ

読書感想文

「書評ブログ」という闇/はてな匿名ダイアリー

 

小学校低学年の時だったと思う。読書感想文の添削で、「君のは読書感想文ではない」と一言だけ赤ペンで書かれたことがあった。なにがいけなかったかは自分なりに察したが、じゃあどうすればいいのかは、当時の脳みそでは分からなかった。それ以来、読書感想文というものをやった記憶がない。トラウマ。

 

その読書感想文のなにがいけなかったのか? それは、引用をしまくったという点。

『〈引用〉』は、僕もそう思いました。

たくさん引用して、感想は「そう思いました。」的なことのみ。どうしてそう思ったかの理由も、本文から引用していた。

なぜならそれは、『〈引用〉』だからです。

ってかんじ。

 

だからといって、国語が苦手だった訳ではない。よくある質問で、「作者はどう思ったのか?(どう思って書いたのか?)」という問いに対しては、すらすらと答えられる子だった。読書感想文との違いは、「自分」の思いを表わさなくてもいいという点か。

本心を表に出すのが苦手だったから、本を読んで「どう思った」なんて言いたくなかった。そもそも、読書感想文の課題となりうるような本を読むのが苦手だったから、その本心をストレートに書くと「こんな面白くない本なんて読みたくなかった」となってしまう。できる先生なら「どう面白くなかったの?」と切り返して、そこから表現力を伸ばしてくれるのだろう。でも冒頭に書いたような添削をする先生だったので、そんなことは書けなかった。

 

引用の多い書評、内容の要約でしかない書評をみると、その当時のトラウマを思い出す。

大の大人ですら、ましてプロブロガーですらそうなんだから、小学生の読書感想文が「僕もそう思いました」ってだけになっても仕方ないよね。と、当時の自分を慰めたい。

共感の文章を書くには人生の「経験値」が必要だから、そんなの小学生に書けるわけがないと、今になってあらためて思う。

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