他人事
ビルの隙間から、澄んだ青空と入道雲。夏の名残りを惜しむかのように、食い入るように見続けてしまった。きれいな空。東京でも見れるんだね、こんな空が。
一方、この雲の先では、竜巻の被害に遭った方々がいる。
クーラーのきいた部屋の中から空を見上げてきれいだねなんてお気楽なことをつぶやいてはいけないのかも。
あまちゃんは震災編にはいった。
「自粛」ムードに包まれていた当時の様子が再現されている。
被害に遭われた方々のことを思うと、それも当然で、仕方ない。
けれども、どんなにショックを受けようとも、当事者以外はしょせん他人事。
震災の1か月前に妻を亡くした私にとっては、他人事な人たちの「自粛」が空々しく映ってたことを思い出す。
毎日、毎日、どこかで不幸が起きている。
人生観というか、人生そのものが180度変わってしまうような出来事が起きている。
そんな人たちのことなんかまったく気にかけずに、私たちは幸せな顔して生きている。
私は、それでいいと思ってる。
他人の不幸なんかいちいち気にしなくていいと思う。
幸せなら、思いっきりそれを満喫すればいいと思う。
空々しく自粛なんてせずに、思いっきり喜べばいいと思う。
そういうのに嫉妬なんてしないから。
それよりも、立場が違うくせに分かったような口きかれる方がよっぽどこたえる。
他人事同士、好き勝手しながら、利害関係が一致したところだけ歩み寄ればいい。
たとえ偽善でも、利害関係が一致するならそれでいい。
みんながみんな、同じように右を向いたり左を向いたりしてたら目と目が合わないから。好き勝手な方を向いて、目と目があった者同士が肩を寄せ合えば、それでいい。
つまらぬ自粛なんかせずに、好き勝手にすればいい。猫のように。