八雲の国から末広がり

旧八祐会ブログ

マイレージ修行

航空会社の上級会員を目指して(又は維持)、その目的の為だけに多頻度に飛行機に乗る人達は、自らを「修行僧」に喩えているそうです。このマイル修行と祐気採りは似ています。祐気というマイレージを溜める為に、今月は西、来月は北と、国内や海外を忙しく動き回る姿はまさに同じで、最初は普通の旅行気分で始める祐気採りも、次第に修行の様相を呈してまいります。

飛行機の修行僧の方々は、搭乗回数を稼ぐ為に1日に何回も飛行機に乗ってGHやCAからの恥辱に耐え忍び、幾多の苦行を積まれて解脱されるとの事。いやはや恐れ入ります。
好奇の目に晒される点では、祐気採りも苦行です。毎日の日参なんかは、はたから見たら変質者かと思いますし、海岸でのお砂潜りなんかは、いい年して砂遊びしている様にしか見えません(苦笑)。
私の先生の時代は、最終の汽車で駅舎に泊まり、そこで夜を明かして始発で帰って来たり、ホテルも建っていない南の島でテントを張って祐気採りをした、なんて事を仰ってました。
もっとも、今みたいにどこでも簡単に行ける時代ではありませんので、祐気旅行自体が相当の苦行だったろうと思います。 

忙しくなると祐気採りをする時間が取り辛くなりますが、そこからが更なる苦行です。忙しいからと出掛けなくなってしまうと、とたんに順調さを失います。その事を分かっている人は、ちょっとの時間でも祐気採りに励まれており、なかには“1泊3日パリ”といった弾丸ツアーをされた方もいらっしゃいます。
この様に、本当に忙しい人ほど祐気採りに対して熱心で、決して時間の無さを言い訳にしません。そして、忙しさに感けずに努力を繰り返せれば、その内ヘリコプターや自家用ジェットでの祐気採り、何て事も夢ではありません。非常に楽しみですね。
但し、個人的には自家用ジェットではフライトマイルが積算されないのが残念(笑)。

何事でも、修行を積むのには必ず目的がございます。マイル修行をする人は、様々な特典を享受したいという目的があり、その為に普通では理解しがたい修行を行ないます。その対価は人それぞれなので、傍目には解かりません。これは祐気採りも同じで、単なる旅行好きにしか見られないでしょう。どんなに効果を実感していても、他人を理解させる事は困難です。
また、目的が掏り替わってしまう事もよくあります。コストパフォーマンス向上の先行投資として始めたマイル修行が、いつしか出費が嵩む贅沢な趣味事に変わってしまう人が多いとのこと。
祐気採りにも同じ様な落とし穴があり、目的や目標のないままの祐気採りや、祐気採りさえしていれば万事上手くいくといった勘違い等々。そうなってしまうと、もはや祐気採りでなくただの観光旅行です。ご自分の気学生活がただの旅行マニアとなっている方は、努力の方向を正しい軌へと修正してまた新たに祐気のマイレージ修行に励まれて下さい。

〈HPにて2007年に記述。ちょっと修正して再掲載〉