八雲の国から末広がり

旧八祐会ブログ

思考はエイジングで

昨今は「アンチエイジング」ブームで、みなこぞって若さを求めます。その傾向自体は「健康」に通じているので宜しいとは思いますが、この「若さ」というものを「思考」にまで求めるのはいかがなものかと思います。

 

若さとは、言い換えれば「バカさ」でもあります。無知ながらも元気だけが取り柄というのが若いってことでしょう。そして年を重ねるごとに色々な経験を積み、見た目が老いるのと反して思考が成長していくのが本来あるべき姿と思います。だから昔は年寄りを敬ったのでしょう。村の長老が1番偉いのは、村の誰よりも「考える力」が高かった証です。いつまでも若さを求めるのは結構ですが、その行動様式は年を取るごとに精錬されるべきです。

 

いまのこのアンチエイジング賛美の現象は、どうも頭の中まで若くしようとしている気がしてなりません。若い格好をしたり、若者文化を取り入れるのは構いません。ですが「礼節」や「思考」まで若者レベルになってしまうのはダメでしょう。「下の者に示しがつかない」という心意気はもはや死語になってしまったのでしょうか。

 

このまま大人が「バカさ」を求め続けてしまいますと、誰もこの日本を支えようとは思わなくなります。年下の者は年上の者のことをよく見ております。反面教師ばかりでは困ります。どうか下の者に示しがつくようお願いいたします。