八雲の国から末広がり

旧八祐会ブログ

スリの集団?の話(クアラルンプール)

今日は日曜日だったのか。前回の記事は日曜の昼間っからすんまそん。で、今回も、またブラックな話。いや、ブラックでなく、グレーな話。真相は分からない。

 

帰国する前々日。その日はめずらしく、夕方から出かけた。場所は、KLセントラル駅から、KTMコミューターで1駅先の「ミッドバレー(mid valley)」。

この電車、本数が少ない。ゆえにすごく混む。行きは、薄暗くて蒸し暑いホームで30分以上も待たされた。↓この写真は行きにて。待ちわびた人達が一斉に乗り込む様子。

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で、事件(?)はその帰りに起きた。

 

また何十分も待つのかと憂鬱になりながらミッドバレー駅のホームに立つ。夜の7時半過ぎで、あたりは日が落ちて暗くなりはじめ、ホームの照明もどことなく薄暗い。

電光掲示板の時刻表には、7時45分に次の電車が来るとある。待ち時間は12分ほどか。微妙にだるい。そう思っていたら、意外にも電車はすぐに来た。この国の時刻表なんて、あってないようなものなのか。

 

思いがけず急に電車が来たものだから、私は「女性専用車両」のところに並んでしまった。でも、周囲を見渡すと、男の人もいるから、まあ、乗りこんでから中で車両を移動すればいいやと、その時は特に気にせず扉が開くのを待った。いま思えば、こいつら(周囲の男ども)は怪しい奴だったのだろう。地元民のくせにわざわざ女性専用車両のとこに並んで乗り込もうとしているんだから。

 

扉が開く。降りる人は少ない。マレーシアの人って、とくにインド系の顔つきの人って、降りる人を待たずにガンガン乗り込む。だから混んでる時間帯だと、降りる人と乗り込む人とで「おしくらまんじゅう」になることがある。でも、降りる人は少なかったので、スムーズに乗り込む。そこで異変が起きた。

 

私は、車内に入ったら女性専用車両から隣の普通車両に移動したかったので、乗り込んで奥へと進もうとした。ところが、電車の中に入ったとたん、おしくらまんじゅうが始まった。降りる人がいないのになぜ?!私は奥に進みたいのに、全然前に進めない。それどころか、壁に押しやられて動けない。

 

私の行く手を阻むインド系の男。こいつは、私と一緒に乗り込んだ奴。そいつが、電車に3歩ほど入ったとたんに、急に動きを止めて、皆が進む方向(電車の奥へと進む動き)と反対方向に力を込め出した。

最初は、間違って乗っちゃったから、降りようとしているのかと思った。が、そうではない。降りようとはせずに、ただ踏ん張っている。しかも私のことを、まるで壁に押し付けてブロックしているかのように。こいつのせいで私は前(車両の奥)に全く進めない。

いいかげんにムカついて、私もフルパワーで押し返す。で、ようやくそのおしくらまんじゅうから抜け出して、隣の車両へと進んだ。

おしくらまんじゅうから抜け出した私のことを、奇異な顔をして見つめる(元々乗っていた)隣の車両の男性たち。なぜか私が注目されてる。なんで?日本人だから?髪型が変だから?イケメンだから?

 

電車が走り出した。ふとさっきの喧騒の余韻をと振り返ると、あのおしくらまんじゅうをした男性集団は誰も、どこにもいない。

「???」

そこは女性専用の車両なので、男の集団がいたら、すぐにわかる。でも、私のうしろには、男は誰もいない。その時、はっとした。そして身体に冷たいものが走った。

周囲から注目されていた真相は「あーあ、こいつやられちゃったよ」だったのか?!

 

私はすぐに、自分の持ち物を確認した。財布もデジカメも、パスポートも、すべて無事。とりあえず安堵する。そして、あのおしくらまんじゅうの光景を思い起こす。

 

私が押し返して団子状態から抜け出すその時、元凶の男(ブロック男)と誰かが会話している様子を思い出す。このブロック男は、ひとりでなく知り合いと一緒だった。ひとり突飛な行動をするから、てっきりひとりもんかと思ったが、違った。ほんの短い時間、ささっと会話を交わしたのを見た。

その会話の光景を私の脳内では、

ブロック男「どうだった?」

別のインド系男「いや、だめだった(首を振る)」

と、そう変換した。実際の会話の内容は分からない。

 

私と一緒に乗り込もうとした男たちは、5~6人いた。そしてそれは皆、グルだった可能性が高い。電車に乗り込む前には、誰一人として互いに会話を交わさずに他人同士のふりをしていた。でも皆、グルな気がする。誰一人として車内に残らなかったのがその証拠だろう。

 

あれが犯罪(スリ等)集団だったかは、わからない。今のところ私に被害がないから。

もし今回の旅でスキミングされたとしたら、それは間違いなくこの時にされたもの。それが分かるのは、早くても半年後。まあ、「だめだった(首を振る)」って光景をみたから、私に被害はないと思う。やつらのミッションは失敗した。

ゆえに、被害がないから犯罪行為はグレーである。でも、明らかに怪しいことに巻き込まれたのは事実。

私がターゲットだったのではなく、私と共に乗り込もうとした別の女性客がターゲットだったのかもしれない。いずれにしろ、真相はグレー。

 

よく、海外渡航の注意勧告で、スリの集団に囲まれてやられてしまう記事を目にするが、あんなの、浮かれて注意力が足りない者の自業自得だと思っていたが、今回の私も危なかった。おしくらまんじゅう状態の時、私は自分の荷物に注意が全くいってなかったから、ああいう時にやられてしまうんだと、あらためて思い知らされた。

盗られにくい形状のバッグや持ち方を、無意識の時にもできるようにしとかないといけないな。

 

ネットなどでは治安がかなり良いとうたわれているマレーシア。でもこの翌日には、前回の記事の出来事が。まったくもう、どうなってんだよ。ステマか?

タイの滞在ではそんなディープな面は一切見なかったが、今回は東南アジアの裏面というか、真実というか、そういうものを多く目にした旅だった。

 

今日は立て続けにブラックな話を2つしましたが、もうこれ以上に危ない話はないのでご安心ください。ディープな話がお好きな場合にはがっかりかも!?

次は、かわいいお魚に足を喰われた話か、「トケイ、トケイ、ホンモノ、っぽいよ」とチャイナタウンで呼び止められた話をいたします♡