八雲の国から末広がり

旧八祐会ブログ

人助け

年に1回くらいのペースで、お役目がまわってくる。

昨年は、カーナビの操作がうまくできないロシア人カップルさん。片言の日本語はできたが、電話先のサービスセンターとのやりとりがうまくできず、かわって話してほしいと頼まれる。もちろん快く引き受けて、無事に解決できてよかったよかった。

 

そして昨日は、小学1年生くらいの男の子。まだ2歳未満の妹を抱えて、泣いていた。

炎天下のイオンモール駐車場。周囲には私しかいない。そのままほっとくわけにもいかずに、声をかけた。「怪しいおじさん」として警察沙汰になる覚悟で、声をかける。

 

エンジンがかかっている車の横で、小さな妹を抱きかかえて泣いている男の子。

話を聞くと、どうやらインロックになってしまい中に入れず、お母さんはまだ買い物中で、炎天下の中でどうしたらいいかわからずパニックになっていた。

 

さて、どうするか。瞬時に浮かんだ対処法は2つ。

1つは、私の車で待機させて、お母さんが帰ってくるのを待つ。

もう1つは、その子たちを連れてモールに行き、館内放送でお母さんを呼びだす。

私は、一緒にモールに行くほうを選択した。

子供の負担を考えたら、私の車で待機がベストかもしれないが、第三者を交えないとトラブルに見舞われるのではと懸念した。だからモールまでの道のりも、小さな妹をわたしが代わって抱っこしてあげることも控えた。

このご時世、仕方がないと唇を噛む。

 

モールに入り、さて、どうするか。サービスセンターみたいな所は見当たらない。

お母さんがいるお店まで一緒にいって探すか?いや、すれ違いになるおそれあり。だから、入り口すぐのお店に入り、そこの定員さんに事情を説明して、委ねることに。

「わかりました。あとはおまかせください」とのことで、人助け終了。

ほどなくして館内放送がかかった。1度しかかからなかったので、たぶん無事に会えたのだろう。

とりあえず、安堵する。

 

気になったのが、お母さんを呼びだす館内放送。「〇〇さま、お連れ様がお待ちです」と。「お子様がお待ちです」みたいには言わないんだな。8歳と2歳の子供らに対して「お連れ様」とは、なんか違和感に思ったが、これも色々なことに配慮したかたちなのだろう。

それを思うと、私自身も無事でよかった。おっさんが子供に声をかけるって、やっぱ、かなりのリスク。傍目には誘拐犯と区別つかないもん。ただでさえ人相悪いし。※

 

人助けもままならない。世知辛いね。

 

緊張から解放されたご褒美に、スタバでチーズケーキ食ったった。

2時間後、まだあの車のエンジンはかかったままだった。

あの男の子、怒られていないといいけど。

頑張って妹の面倒をみていた、責任感の強い、いいお兄ちゃん。

「よく頑張ったね」と心の中で称えて、駐車場をあとにした。

 

※そういえばその昔、私のことを「人相の悪いあやしい男」呼ばわりした銀行員がいた。祖父が支店長を交えて話をしている時のことで、「あ、それは私の孫ですね」と。

その後、その行員の姿は見かけなくなりましたとさ。ちゃんちゃん。

口は災いのもとですね♡