タバコの似合う大人
正月に高校時代の仲間と同窓会をした。出会ってから25年も経っているが、会うとその時空を飛び越えてあの頃の少年に戻る。その彼らがタバコを吸う。みんなもう十分におっさんなんだが、タバコを吸うその姿は、ガキが背伸びして吸ってるかんじにしかどうしても見えない。
ほんとにそう思っているのか、それとも私自身が老いを拒絶しているのかどうかは分からないが、けれどもやはり、彼らをタバコの似合う大人とは思えなかった。
スーツ着て夜景がきれいなホテルのバーで会ってたら違ったのかな?いや、そんなことしても七五三の集まりにしか思えないだろう。私たちはいつになっても出会った時のまんま変わらない。それが同じ釜の飯を食った同級生ってもんだ。
タバコの似合う大人って、そう、「かっこいい人」というのが第一条件になる。なので男女ともに「イケメン」なら似合うような気がするが、必ずしもそうじゃない。「背伸び感」や「イキがってる感」があるといくらイケメンでも似合わない。つまりタバコが似合うには、老け感というかエイジング感みたいなのが必要ということ。なので、アンチエイジング全盛のこの時代では、タバコが忌み嫌われるのも仕方ない。
ふと思ったが、タバコはストレスとセットになると、かっこいい感、似合う感が増す気がする。同窓会では個々が抱えているストレスを表面には出さずに笑いあっただけだから、タバコが似合う雰囲気ではなかったのかもしれない。イキがって吸うタバコは似合わないけれど、ストレスを抱えながら一時の安らぎを求めて吸うタバコは、傍からみるとかっこよく映る気がする。
大人になるということは、積み重なるストレスと対峙し続けるということ、か。
そこで背中を丸めてタバコを吸うとかっこよく映り、ほっぺたを丸めてスイーツを頬張るとキモく映るのかな。どちらもストレスと闘ってるのに残念な後者の私。