八雲の国から末広がり

旧八祐会ブログ

「したいことをする」にはカネが要る。

f:id:hachiyuu:20131218202133j:plain

夢を追うには、カネが要る。

衣食住足りてこそ夢を追える。衣食住足りないと夢は諦めざるを得ない。

夢に限らず「したいことをする」にはカネが要る。

 

昨日の情熱大陸で、1億円の賞金を獲得した「エビケン」さんが出ていた。1億円という賞金はものすごい大金に思える。けれどもその実情は、毎年100万円しか貰えない。年100万円の40年払いとのこと。ん、100万×40年=4000万じゃん? そう、税金だのなんだかんだで、実際には4000万円しか貰えないらしい。年100万円では生きていけない。だから彼は、エコノミークラスに乗って地道に地方営業をして稼いでいる。

一見すると一夜にしてスターダムにのし上がったシンデレラボーイのようにみえるが、我々が思い描くアメリカンドリームとはほど遠い。やがてカネのために(=家族を養うために)ステージを去る日が来るのだろう。ご本人もその覚悟はあるっぽく、自分は演者よりも演出家に向いているとつぶやいてた。

 

プロ野球選手もプロサッカー選手も、引退する理由は「稼げなくなった」から。体力の衰えが原因と思う(本人もそう思い込む)が、実際は稼げなくなる(=オファーがなくなる)のが真の理由。アマチュアスポーツも同じ。才能の限界で引退するのでなく、働かずに競技を続けることができないから辞めざるを得ないのである。

私が泳ぐことをやめた理由も同じ。うちが大資産家で、なおかつ世論が19世紀のブルジョアジーな風潮だったら、私はいまだに働かず(=カネ儲けせず)に泳いでいただろうし、2020年の東京オリンピックも当然に狙っていただろう(中学生にも勝てないロートルスイマーでも)。私の水泳の才能はさておいて、カネと世間体が許されるなら、自己満足の追求のためだけに泳いでいただろう。南国の青空の下で。

 

長野五輪の金メダリスト、船木選手は今、競技とカネ儲けの両立をめざして奮闘している。が、現実は厳しい。競技の成績はかつての活躍からは程遠くて大口のスポンサーがつかず、カネ儲けの方に時間と体力と精神力を注がなくてはならない。そうすると練習する時間と体力と精神力が削がれ、益々成績は下降する。すると益々スポンサーが離れ、益々カネ儲けに奔走する。益々成績は下降……の悪循環。

もし彼が長野五輪の活躍で仮に10億円を手にしていたとしたら、今のような苦悩せずに思う存分に競技に専念していただろう。そして納得いくまで飛び続けたのちに、第二の人生として残金を元手になにか商売を始めたことだろう。

彼のしたいことはよくわかる。ゆえに、今のままでは成功しない(=ふたたび日の丸を背負って世界と闘うことが叶わない)こともよくわかる。

 

 

「私はカネのために動いてるわけじゃない!」という正論を吐いてみたい。ドヤ顔で。

その為にはカネが要る。たくさんのカネが要る。

宝くじ、まじで当たってちょーだい。