BLEU DE CHANEL
いつ以来だろうか。ひさしぶりに香水を買った。
さっそくまき散らして、部屋の中がデパートの1階、あるいは空港の免税店くさい。
このキャップ、なかに磁石がついている。だから、どんな状態でふたを閉めても、必ずシャネルのマークがこの写真のように正しい位置に直る。このちょっとしたこだわりが、世界中の人々に愛されるゆえんだろう。
なんでシャネルを選んだのか。理由はやっぱこのマークだろうな。瓶の色もシャネルっぽいし。匂いなんてどうでもよかった。
妻が晩年に愛したブランド。ようやく似合う年頃になったと喜んでいた。
そんな妻に追いつこうと、すこし背伸びしたくて買ったのかも。
カール・ラガーフェルドの妖怪さにはまだまだほど遠いが、いつかシャネルをかっこよく着こなせるじじいになれたら本望だ。やせねば。