八雲の国から末広がり

旧八祐会ブログ

他人に頼れず世間話ができない残念な人

「自分でやった方が早い病」小倉広

「仕事の9割は世間話」高城幸司

「残念な人の思考法」山崎将志

上記3冊を読んだ。今日のタイトルは自分のこと。

 

本屋さんを徘徊していたところ、まず「自分でやった方が早い病」が目にとまった。「病?」このタイトルを見て自分のことだとすぐにピンと来たが、それにしても「病」とは。でも妙に納得してしまった。一応は目次をパラパラするも、もうすでに心の中ではお買い上げ決定。そしてそれから立て続けに計5冊の新書を手にしていた。

やっぱいろいろな病に侵されているのかな。これじゃあいろいろと仕方ない。

 

これら処方箋は、「自覚(気づき)」と「対処法」を与えてくれる、ありがたいお薬。

お薬は、当然に健康だったら必要ない。2年前の私だったら「ふん」っと鼻で嘲笑っていただろうな。

また、口に苦しもお薬の特徴。痛いところをついてくる。自分がいかにダメかを容赦なく思い知らされる。劣等を辛辣に露呈させられる。

でも、めげない。

 

こういうビジネス書や啓発本って「めげない」心の強さがないと副作用でやられてしまう。そのことにあらためて気づけた。

また、「自分を見失わない」のも必要。ゆえに問題点(病状)をあらかじめ自覚していないと、薬を処方されるたびに自我を失い、自分本来の姿(個性)がどんどん消えてゆく。

使用上の注意を読んで、正しい用法を守ることが大切なんだな。※1

 

で、これら本から具体的には何を学んだのか?

「準備」と「待つ(忍耐力)」の重要性、かな。

世間話については、アドリブにみえる話でもそれはあらかじめ「準備」しておいたネタの1つだということ。それを知って安心した。それならできそうだ。話し上手な人というのは、おそらくそういう鉄板ネタを豊富に持っているのだろう。そしてそれを披露(練習)する場の数を多く経験し、更に話術に磨きがかかるのだとあらためて分かった。天性のものでなく努力で補えるなら、どうにかできそうだ。人見知り強いけど。

自分でやった方が早い病のほうは、「待つ」ことの重要性にあらためて気づけた。ついつい目先の損得に翻弄されてしまうが、そこをぐっと我慢して待つ。「果報は寝て待て」ってことかな。

「急がば回れ」という言葉は、これらの重要性を説いてるんだろう。無駄と思うものをどんどん排除して効率化を図ることが成功への道と思うと、得てして失敗する。

「仕事ができる人間になるには“遊べ”」っていうのも、言わんとすることは同じかな。人としての「器」を大きくすることが大切で、そこには「遊び」が必要なんだろう。そうして心に「ゆとり」ができれば自ずと成果が上がっている、というスパイラルになる。

無駄を一切省いてしまうと、人としての「器」も小さくなってしまい、結果的には負のスパイラルとなってしまう。ダイエットして体重が落ちたと喜んでいると、実は脂肪はあまり減っておらず筋肉がやせ細っただけだった、みたいなことか。

 

「残念な人」については、うーん。自分の期待していた内容とはちょっと違った。

参考になることは多く書かれていたが、その大半は「優秀な人」のエピソードであって、それ以外をすべて「残念」とするのは少々強引に思えた。つまり、果たして自分は本当に「残念な人」なのかどうかが分かりにくい。この筆者の視点で「残念」と切り捨ててしまうと、国民の大多数が残念となってしまう。

この本のタイトルは非常に興味をそそられるので秀逸だと思う。でも本の中身はイメージと違った。しかし中身自体はそれはそれで優秀だと思う。ゆえに、なんともいえないフラストレーションを残す。この感覚をたとえると、日本の家庭的なカレーライスが食べたくて注文したら本格インドカレーが出てきたってかんじかな。食べたら普通においしいんだけど食べたかったものとは違う、みたいな。

そう考えると、この本は実に残念な本だし、筆者も残念な人となる。この本の売上が良くて結果オーライ(残念ではない)とするのならば、残念ではなく「痛い人」ってことになるのかな。※2

結局、「残念な人」ってのはどのレベルのことをさすの?

 

他者との共存共栄を図ってウィットにとんだ世間話ができるようになれれば、まあ上出来かな。それでも残念と思われたら仕方ないや。

 

 

※1、目次やまえがきでの「言霊」で自分と気が合ってるかを判断する。筆者の「顔写真」から判断するのもあり(生理的に受けつけない顔にはそれなりの意味がある)。また、筆者が有名人であれば、普段の言動(ブログやツイッター等)から人となりを見極める。

漠然と気づいていたものを「言語化」してくれるのが薬(本)の役目。処方してもモヤモヤが晴れなければ、薬を絶つ(もっと自分の頭で考える)か、別の新たな薬を処方する。一気に何冊も同時処方するオーバードース療法もあり。

※2、この本に「赤ペン」で参考個所をチェックすると、おもいっきり裏抜けしてしまう。5冊中この本だけ。紙質まで残念な本だった。