八雲の国から末広がり

旧八祐会ブログ

ハッピーエンド、バッドエンド。

鈴鹿ひろ美が歌った。初めて歌声を披露した。あの薬師丸ひろ子独特の声で、歌った。

その歌声を聞いた時、じんわり涙が。太巻さんが号泣する気持ちがとてもよく分かる。

積年していたものが昇華する場面は、ジャンルにかかわらずグッときてしまう。ああいうのとても弱い。それは、自ら未昇華のものを大小いくつも抱えているからだろう。そしてそのほとんどが昇華されないことも分かっている。自分では認めたくないが。

 

だからなのか、夢も希望もこれからという人が夭逝してしまうのは、殊更にこたえる。

当人はあんがいケロッとしていて「ヤベ、ドジった」とか言いながら舌をだして頭をポリポリかいてたりして、なんて妄想でもしてないと心がもたない。

 

一時期、心が荒みすぎてバッドエンド物を観て心のバランスを保っていた。今はそういうのは遠慮したい。だからか、先にネタバレを調べたりだとか、バッドエンドになりえない題材のものじゃないと安心して観れない。ブラピの「セブン」や白石一文「ほかならぬ人へ」とか、ああいうのはまじで勘弁。そうそう、「テルマ&ルイーズ」も許せないラストだったな。どういういきさつだったか忘れたが、めずらしく妻と映画館で観たんだよね。けっこう楽しんで観ていたような。だけどそのラストシーンで「え?」って二人して固まった。おかげでそれまでのシーンすべて忘れちゃった。最近知ったがこの映画のモデルはシャーリーズ・セロンがオスカーを獲得した「モンスター」と同じだそうで、ならバッドエンドも仕方ない。ハリーポッターも3巻までは純粋に楽しめたな。

 

絵にかいたハッピーエンドなど、リアルな世界ではそうそう起こり得ない。だから、せめて作りものの中だけは、ハッピーエンドであって欲しい。じぇじぇじぇのドラマも当初はぜんぜん観る気がしなかった。震災のことを取り上げるって知ってたから。そんな中であのテーマソングを聴いた。それを聴いた時、このドラマを最後まで観ても大丈夫だよと、なぜか安心した。この曲でバッドエンドはありえねえべって。「スカ」っていうの?あの管楽器が奏でる明るい音楽けっこう好き。

ユーミンの歌みたいに、歌詞がバッドエンドでも曲調や歌声が明るければまだ救われる。失恋ソングをあんなに明るく歌いあげられたら昇華した感じに思える。

 

「止まない雨はない」という言葉は、好きではない。

「雨はいつまでも止まないんだべさ~♪」と明るく歌ってくれた方が今はホッとできる。

そのうち止むかもしんねえが、おらの人生ずーっと雨だ。がっはっは。