八雲の国から末広がり

旧八祐会ブログ

酒よりスイーツ

つらいことがあると、お酒(アルコール)に頼るのが世間一般の認識かと思います。伊集院静氏も、夏目雅子さんを亡くされた失意をお酒が救ってくれたと著書に記しております。しかし、これからはそうではなくなる気がします。お酒によって救われたという人はどんどん減る気がします。

 

私はお酒があまり得意ではありません。ただ、一般的な下戸でもありません。というのも、“酒にのまれた”ことがないのです。つまり、お酒を飲んでもタガが外れない。タガが外れる前に体がお酒を拒否してしまうんです。むかし、一升までは飲んだことがありますが、やはりタガは外れず体が拒否してしまいます。今は味にもよりますが、日本酒は2合が限界かな。先ず、のどが受けつけなくなるので、ジュースみたいな口当たりの良いカクテルだったらもっと量は飲めると思います。

お酒で心のタガは変わらずとも、体のほうのタガが外れる時は、ごくたまにあります。いわゆる「楽しいお酒」の時がそうで、そういう時はかなりの量がのどを通ります。その場の雰囲気がとても楽しくて話がいつまでも尽きないような時は、気がつくとワイン数本を開けています。それだけ飲めば一応は酔っ払い風にはなりますが、ただヘラヘラするだけです。無礼講な感じにもなりませんし、全裸にもなりません。怒り出したり泣きだしたりもありません。ただヘラヘラと弛緩する程度です。だから私には「酒を飲んで腹を割って話す」という概念はありません。ケーキで十分です。

 

昨年、失意の中にいた私は「こういう時にこそお酒でしょ!」って感じで、ひとり家の中で飲んでみるものの、コップ1杯でも体(のど)が受けつけない。あらら、酒ダメじゃん。悲しい時に酒に救われた人って、もとからただの酒飲みなだけじゃね?って思いました。

ただ、ひとり酒ならまだいいです。せいぜい二日酔いになるぐらいでしょうから。問題は、酒席に呼ばれた時です。昨年は何度か呼ばれました。そしてもう2度と行くまいと誓いました。

先述のとおり、私は酒ではタガが外れないタイプです。なので、お酒を飲みすすめていくうちに、だんだん相手の方がタガが外れていってしまいます。そしてついには、その矛先が私に向ってきました。もうびっくり。ぶん殴れればこっちもスカッとするのでしょうが、相手が手を出してくるならまだしも、さすがにそこまではしてきませんので、結局は黙って聞くしかない。反論しようものなら相手は完全な酔っ払いですので、なぜか私が悪者みたくなってしまう。もう完全なパワハラ。当人は覚えてないでしょうが、言葉の暴力は一生消えません。それ以来、酒席には気をつけています。

なので心に傷を負ってる皆さん、誰かとお酒を飲むならば、同じ傷の痛みが分かる者同士で飲むことをおすすめします。傷の舐めあいは決して悪いことではありません。傷の痛みを理解できない者は、「良かれと思って」「お前の為だ」といった錦の御旗をふりかざして攻撃してきますので十分にご注意ください。

 

最近、「若者の酒ばなれ」といわれ、その反動か「スイーツ男子」が増えていると言われています。私も甘いものが大好きです。酒を飲むくらいならケーキを食べてた方がよっぽど心が救われます。そのせいか、この1年間で20㎏太りました(マジやばいです。今はダイエットを始めましたので、増加は止まりました。そのうちダイエット日記をつづります)。

で、私のケースと世の中の流れを照らし合わせて考えてみました。

今は昔に比べて若者の苦悩はハンパない時代です。そのような状況のなか、酒よりも甘味に注目があつまるというのは、私の感覚とも合致しています。酒よりもスイーツの方が癒しの効能があると、若者は無意識ながらもそのことに気づいたのでしょう。

そして女性は昔からこのことに気づいていました。昔から甘味は女性の専売特許でしたもんね。女性は長年にわたり受難の時代を送ってきましたので、その鬱積されたストレスを甘味によって緩和させていたのでしょう。女性がお酒を飲む時というのは、ストレスの発散でなく別の目的の方が多いですもんね。時代のおかげというか、男もようやくそのことに気づきだしたのでしょう。だから女性の皆さん、酒飲みの男よりもスイーツ男子の方が、他人の痛みがわかる心やさしい人が多いと思いますよ。但し、糖尿病のおそれがありますが。。。

 

楽しい時には酒を、悲しい時にはスイーツを。

石原軍団の方々は、大福やまんじゅうを食べながらお酒を飲むことで知られていますよね。真の酒飲みは甘味も好きというのも、酒だけじゃ心は癒されないことを知っていたからかもしれません。お酒であたまを少々覚醒させながら甘味を食して心が癒される、私が甘い味のお酒(カクテル)を好むのも同じことかもしれません。女性も甘いお酒が好きな人多いですよね。

そういえば、10年前だったかな、オーストラリアで缶のジャックダニエル&コークが売ってて、ホテルの部屋でぐびぐび飲んだ覚えがあります。あまーいコーラにちょっとお酒が入っているやつ。缶のデザインもおしゃれだったので日本で売り出せば絶対に流行るのにと思ってました。今ではたしか日本でも売ってますよね。でも流行っている感じがしないなあ。

きっとそれは、日本がスイーツ大国だからでしょうね。缶の甘いお酒を飲むよりも、もっと美味しい組み合わせがいくらでもできますもんね。たとえば、デパ地下でスイーツを、ディスカウントショップでシャンパンを、みたいな組み合わせがいくらでも。

 

「甘いものなんて女とガキが食うもんだ」そう言ってるオトナのひとって、じつは本当の苦悩を知らないのでは?それとも甘味に救いを求めない強いオトナなのですか?まあ、趣向の問題で、ただたんに甘いのが苦手なだけかもしれませんが。

 

さまざまな悩みをかかえて苦しんでる皆さん、お酒よりも甘いものの方が心に効きますよ。おためしあれ。